椰子酒(ツーバ) 2006.07


ヤシの樹液を採集
 ヤシ酒は南洋を代表するお酒です。甘い香りと程好いアルコール分が何とも言えない美味なお酒です。しかし、時間が経つ(短時間です)と徐々に酸味が増して行き、終いには「酢」に変わってしまいます。

ところで、このお酒を造る工程は思ったよりも単純なんです。

 椰子の花は、あの大きな葉の軸葉柄(といっても、葉の全長は4メートルもあるから、近くで見れば枝という感じ)の脇に出た箒草(ほうきぐさ)状の花軸の先に群がって着きます。そして、花軸は、出始めには鞘(さや)をかぶった角のような形で葉柄のもとから出てきます。この角を斜めに切り落とすと、そこから樹液が滴り落ちてきます。これが椰子酒の原液です。これを瓶などで受けて樹液を溜めておきます。

 花軸の切り口は時間がたつと樹液が固まるので、朝晩切り直して樹液が常に出やすい状態を保ちます。こうしてたまった樹液を回収して回るんですね。
1日1升集めるには凡そ10本の椰子の木を要します。
 さて、椰子酒の原液(つまり採りたての椰子酒)は、アルコール分は無く、薄い乳白色で甘いだけなんです。昔々、ミクロネシアの島では赤ん坊の乳代わりに、このヤシ酒の原液を与えていたと言われています。

この原液も1日位発酵させると立派な甘〜い香り豊かな椰子酒となります。
 ところで、この椰子酒がどれくらいのアルコール分かというと、ビールよりも、やや低いくらいのアルコール分なのですが、500mlを一気飲み、と言うわけにはいかないようです。甘く、口当たりが良いのでついつい、量が進みますが、飲みすぎると猛烈な二日酔いになります。(もっとも、飲みすぎるほどの量が出回ることは、めったにありませんが・・・)

 余談ですが、サイパン名物に「ポトゥ」という蒸パンの一種があります。この「ポトゥ」に椰子酒が隠し味として使われています。うどん粉の塊のようなものに椰子酒を混ぜることにより、ふっくらとした柔らかさと、甘〜い香りが楽しめます。
日本のサイパン統治時代に、サイパンで暮らす人達はこの「ポトゥ」を朝食として、食べていました。早朝のガラパンの街中には「ポートー」の売り声が響き渡り、街は活気で沸きかえっていたそうです。

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