南の島の正月でも「おせち料理」の思い出が 2006.01


おせち料理のイメージ画像です
 常夏のサイパンの正月は自給自足の美味い正月料理を食べていました。
正月になっても特別な行事はありません。サイパンでは新年の祝賀よりクリスマスの方が大きなイベントなんです。しかし、我々日本人は元旦に逢えば知人や友人に「あけましておめでとうございます」と挨拶をします。
 サイパンで長年暮らしている友人に「サイパンはおせち料理など食べられる場所はあるのか?」と聞いたところ、「昔、おかめレストランでは、おせち料理や餅つきなどもやっていたよ。」と言われました。
そういえば、・・・・
ガラパンの消防署に近いところに美味い日本食を食べさせてくれるレストランが在ったんです。ここの親父さんや女将さんが大変親切な人達で、サイパンに住み始めた日本人の悩みや相談事に真剣に話を聞いたりアドバイスをしていたものでした。こんな人達なので、正月に餅を食べたい、おせち料理も食べたい、という我儘な(?)私たちのリクエストに答え、サイパンの食材で工夫を凝らして料理を作ってくれたものでした。
ある年の年末に突然、田舎風のおせち料理と雑煮を食べたくなり、おかめレストランに出かけて、「田舎風のおせちと雑煮が食べたいので、よろしくお願いします」と言ったところ、息子さんが「では材料を調達に行きましょう、手伝ってください」と言って、私を連れて行くのです。「まず、海老とウニを採りに行きましょう」そのまま港へ直行しボートに乗ってタナパグへ。それからが大騒ぎでした。
まず、素潜りでウニを集めるのですが、ウニとは名ばかりでココにはガンガゼしかいない。これを集めて身を掻き出すのですが「最低100個は集めてください」「刺は採る前に払って落としてください」と言われてその気になって、いざ海の中へ!
水深は5〜8m位なので、潜れても初心者では30秒位しか・・・・
ドボン   う〜く苦しい! 浮上!   ボチャン  う〜く苦しい! 浮上! 
ザバン   う〜く苦しい! 浮上!
暫くはこんな状態の繰り返し・・・しかし、人間は慣れてくるとやがて海底まで潜れるもので、底に到着して周囲を確認してウニ(ガンガゼ)を火バサミで引きずり出して。刺を払い落とし。網の中へ・・・
これを繰り返してなんとか予定数を集めた後、海老穴へ! 
これまた素潜りで採るのですが。素人では簡単に捕まるはずも無く、苦労の揚げ句、やっと片手でつかんだ!と思った瞬間「バタバタ」と暴れられて取り逃がし、散々苦労してどうにか小さな海老を1匹捕まえて もう へとへと!

 海からの帰りに遠回りしてファーマーズショップへ。  ここでパンの実を買って帰ってくると、親父さんが「遅かったなあ!まあ今から造るから明日 持ちにおいで」 
翌日、言われたとおり「おせち」を取りに行くと・・・見事なおせちが出来上がっていました。片隅には「キントン」まで・・・芋の田舎風煮っ転がしや海老のウニ付き姿焼きも・・・  食べてみれば、「美味い!」  日本の味だ〜〜!
でも、どこからこんな材料を集めてきたのか? 聞いてみたら、「ああ、芋ね あれはパンの実! キントン? それもパンの実だよ。ウニだけ集めるのが大変だったね、100個くらいでも一握りしかなかった!」そうでしょう そうでしょう、でも料理は出来たから良いんです。

こんな、楽しいレストランがサイパンにも合ったんです、その「おかめレストラン」もバブル崩壊の影響で閉店し、親父さんや女将さん、そして気の合った息子さんも日本に帰ってしまいました。
だから、今となっては楽しい思い出です。毎年正月になり、雑煮を見るとあの懐かしい「おせち」を思い出します。


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